11年以降に実施される新教育指導要領について、いろいろと
ニュースが入ってきましたので過去と比較しつつ、
いろいろな情報を掛け合わせてまとめてみたいと思います。
・目的
→「生きる学力」の徹底と共に、裏では特に都会を中心とする
公立離れの子供を取り戻すための政策でもあるようです。
・対象となる範囲
→主に小学校と中学校。
現在小学校5年生以下、中学校2年生以下の人々は
先行実施(教科書が完成していないため補助教材による授業を行う)も含め
卒業までに新教育指導要領での授業を経験することになります。
※補助教材・・・教科書ができるまで、教科書会社が現場での教育補完用に毎年作成
・主な変更点(全体的)
1.レポート記述や論述の活性化
→国語力をのばすきっかけ
→活字離れによって文字を書くことを苦手としている人々にもう一度、
文字の原点に戻り、自分の考えを人に訴える作文力を育む
2.小学校高学年で外国語学習を導入
→現在も指導は行われているものの学校によって指導内容にばらつき→統一する
→中学校との接続の観点(同じく中学校でも外国語学習の時間は強化される)
においてスムーズに移行出来るようにすることが大切
→小学校の基礎知識を活用して、中学校でもそれを生かすことが出来る環境作り
3.理数教育強化で世界レベルの競争に対応
→内容の系統性などを踏まえた徹底的な指導内容の見直し
→具体的には二次方程式の解の公式、イオン、遺伝などを高校から中学校に移行
4.総合学習・選択教科の時間を削減
→総合や選択は基礎的な学習からかけ離れた別の意味での「発展的な学習」
→地域のことについて学ぶことも大事だが、それ以前に基礎力を養うべき
→総合学習や選択教科は、その基礎学習の上に成り立つもの
5.中学校1・2年で武道・ダンスを必修化
→生涯にわたるスポーツライフを実現する視点から
→将来、自分の行いたいスポーツを好きなだけ行えるようにするには、
得意なスポーツを見つけるチャンスをこの時期につかむことが必要
→武道においては、日本古来のスポーツであり、
日本の伝統的な文化に触れることも大切なことである
・主な変更点(教科書)
1.発展的内容の記述が自由
→知識を応用し、どこまでも探求していける教科書が望ましい
→理解力に応じて、とことん先を追及出来るシステム
→学校側も年間授業スケジュールで余った時間などをより
発展的な学習の時間に充てることができ、興味関心が湧きやすい
(発展的内容を本来学習するのは数年後になるかもしれないが)
2.中学校教科書で小学校の復習
→反復学習を取り入れて、より学習内容を定着させる考え
→家庭で自習しやすいよう練習問題を増やす
→「見る」教科書から「使う」「頼る」教科書への認識転換
3.漫画などのイラスト削減
→ゆとり教育の完全な「名残」
→イラストが多い理由として「学習内容削減部分の穴埋め」
→興味関心がイラストに注がれる→落書きされるなど
→問題中心である教科書にイラストの多様は望ましくない
→学習する内容が増えることから、高度なグラフィック技術を用いて
視覚的に分かりやすく理解できる教科書が必要
→学習内容を分かりやすくするためのイラストは対象にはならないはずである
・主な変更点(授業時数)
1.小学校
[360以上の部分は赤+太字] 小数点第一位以下四捨五入
(生活は2年まで、社会理科は3年以降、総合は4年、家庭・保健は5年から、外国語は高学年)
200・・・週2ペース
400・・・週3ペース
1000・・・(全学年学習科目)・・・500相当・・・週3ペース
1400・・・(全学年学習科目)・・・700相当・・・週4ペース
赤色の部分を見るとよく分かりますが、基本四教科において
大幅な時間の増強が行われていることが分かります。
特に、国語算数は6年間学習する物ですので、きっかけとなる初めの
機会を逃してしまえば、数年単位で「算数が嫌い」と言う現象に陥ってしまいます。
そして、小学生の何よりの楽しみである体育の時間も増えています。
57時間の増強ですので、おそらく時間割的には半分で割る事と思われます。
ただ、調べ学習などを中心に行ってきた総合学習が削減され、他の教科の授業の
割り当てに回されたということは、総合学習で養える力「資料活用力」などは、
今の子供には著しく教え付けるべきではないという結論に達したのでしょうか。
複数の資料を一つの画用紙にまとめる作業が減るということは、資料を活用出来ない、
つまり多くの情報を自分の中でまとめ、一つにする力を持つ子供が減って
いってしまうのではないかという弊害が予想されます。
基本教科の授業が増え、インテリになるのはいうまでもありませんが、一方で
インテリになりすぎて情報機器類の操作方法などを
知る子供が減っていったのでは、意味がありません。
2.中学校
[350以上の部分は赤+太字] 小数点第一位以下四捨五入
(全学年全教科学習)
100・・・週1ペース
200・・・週2ペース
300・・・週3ペース
400・・・週4ペース
中学校においても、高校受験を想定してでしょうか、
基本五教科の増強が行われました。
特に注目すべきポイントは、選択教科が無くなったという点。
学校や地域によって必須となっている場合には設けることも出来ますが、
その分明らかに他の教科の授業数が減ります。
その辺のバランスをどう管理するかは、学校に懸かっています。
最近の中学生は、パソコンの普及、ゲーム機の普及に煽られ、イメージ的には家にこもり、
外であまり遊ばないという子供が増えてきているような気がします。
特に都会では、外に出ても行く場所がなく、その分遊ぶ場所も
少ない中で、何かと誰かの家に集まってゲーム・・・と言う
中学生が増えてきているような気もします。
(田舎の場合は、極端ですがそのような場所がありませんから、
自然と親しむなどという貴重な時間を過ごすことが出来ます。)
それらへの対策として、保体の時間が45時間増強されています。
これもまた中途半端な数ですが、
現在の週3から臨週の週4に再構築される可能性もあります。
選択教科というのは意外に生徒の娯楽の時間であったりもします。
自分の好きな教科を受けることが出来るのですから、授業の足しになるか
どうかは分かりませんが、明らかにマイナスになることはないでしょう。
それを削ってまで基礎教科の授業に回しているということを考えると、現在の
時間割構成で修正可能な限界まで修正を行っている
→つまり、この改正と共に学年をまたぐ人(現在の中学一年生以上)は
少し苦労を強いられる可能性があります。
また、精神的に慣れるまでに時間がかかるなどの弊害も予想されます。
・移行スケジュール
1.小学校
小学校の教科書については、23年度から新教科書が配布されます。
2.中学校
中学校の教科書については、24年度から新教科書が配布されます。
今までもゆとり教育ではありましたが、教科書内に発展的な内容が出てくるなど、
過去に比べれば少し厳しくはなってきています。
しかし、小学校では来年度の編集において教科書の内容が一新されることから、
発展的な内容が必須となる部分もある可能性もあります。
私は今回のゆとり教育の見直しに関しては、基本的に賛成です。
なぜなら、あらゆる面で「努力すること」の大事さをまずは勉強から味わって欲しいから。
パソコンでもなににおいてもそうですが、勉強をせずにテストで良い点を、入試で良い点を、
というのは不可能です。毎日毎日の積み重ね、これこそが勉強であるというふうに、
新しい教科書で身の詰まった学習を未来の子達が担い、
この世の中がもう一度しっかりした学力・基礎知識に溢れ、
そのうちあらゆる企業に就職し、脱ゆとり世代が基盤となるような、
そのような世の中になればいいのではないかと思います。
(実際はなかなかそうはいかないと思いますが。)
今後に期待します。
ニュースが入ってきましたので過去と比較しつつ、
いろいろな情報を掛け合わせてまとめてみたいと思います。
・目的
→「生きる学力」の徹底と共に、裏では特に都会を中心とする
公立離れの子供を取り戻すための政策でもあるようです。
・対象となる範囲
→主に小学校と中学校。
現在小学校5年生以下、中学校2年生以下の人々は
先行実施(教科書が完成していないため補助教材による授業を行う)も含め
卒業までに新教育指導要領での授業を経験することになります。
※補助教材・・・教科書ができるまで、教科書会社が現場での教育補完用に毎年作成
・主な変更点(全体的)
1.レポート記述や論述の活性化
→国語力をのばすきっかけ
→活字離れによって文字を書くことを苦手としている人々にもう一度、
文字の原点に戻り、自分の考えを人に訴える作文力を育む
2.小学校高学年で外国語学習を導入
→現在も指導は行われているものの学校によって指導内容にばらつき→統一する
→中学校との接続の観点(同じく中学校でも外国語学習の時間は強化される)
においてスムーズに移行出来るようにすることが大切
→小学校の基礎知識を活用して、中学校でもそれを生かすことが出来る環境作り
3.理数教育強化で世界レベルの競争に対応
→内容の系統性などを踏まえた徹底的な指導内容の見直し
→具体的には二次方程式の解の公式、イオン、遺伝などを高校から中学校に移行
4.総合学習・選択教科の時間を削減
→総合や選択は基礎的な学習からかけ離れた別の意味での「発展的な学習」
→地域のことについて学ぶことも大事だが、それ以前に基礎力を養うべき
→総合学習や選択教科は、その基礎学習の上に成り立つもの
5.中学校1・2年で武道・ダンスを必修化
→生涯にわたるスポーツライフを実現する視点から
→将来、自分の行いたいスポーツを好きなだけ行えるようにするには、
得意なスポーツを見つけるチャンスをこの時期につかむことが必要
→武道においては、日本古来のスポーツであり、
日本の伝統的な文化に触れることも大切なことである
・主な変更点(教科書)
1.発展的内容の記述が自由
→知識を応用し、どこまでも探求していける教科書が望ましい
→理解力に応じて、とことん先を追及出来るシステム
→学校側も年間授業スケジュールで余った時間などをより
発展的な学習の時間に充てることができ、興味関心が湧きやすい
(発展的内容を本来学習するのは数年後になるかもしれないが)
2.中学校教科書で小学校の復習
→反復学習を取り入れて、より学習内容を定着させる考え
→家庭で自習しやすいよう練習問題を増やす
→「見る」教科書から「使う」「頼る」教科書への認識転換
3.漫画などのイラスト削減
→ゆとり教育の完全な「名残」
→イラストが多い理由として「学習内容削減部分の穴埋め」
→興味関心がイラストに注がれる→落書きされるなど
→問題中心である教科書にイラストの多様は望ましくない
→学習する内容が増えることから、高度なグラフィック技術を用いて
視覚的に分かりやすく理解できる教科書が必要
→学習内容を分かりやすくするためのイラストは対象にはならないはずである
・主な変更点(授業時数)
1.小学校
[360以上の部分は赤+太字] 小数点第一位以下四捨五入
教科 | 国語 | 社会 | 算数 | 理科 | 生活 | 音楽 | 図工 | 家庭 | 体育 | 道徳 | 外国 語 |
総合 | 特活 | 合計 |
新時間数 | 1461 | 361 | 1011 | 405 | 207 | 358 | 358 | 115 | 597 | 209 | 70 | 280 | 209 | 5645 |
新時間数 占める割合(%) |
25.9 | 6.5 | 18 | 7.2 | 3.7 | 6.3 | 6.3 | 2.0 | 10.6 | 3.7 | 1.2 | 5 | 3.7 | 100 |
現行時間数 | 1377 | 345 | 869 | 350 | 207 | 358 | 358 | 115 | 540 | 209 | - | 430 | 209 | 5367 |
現行時間数 占める割合(%) |
25.7 | 6.4 | 16.2 | 6.5 | 3.9 | 6.7 | 6.7 | 2.1 | 10.0 | 3.9 | 0 | 8.0 | 3.9 | 100 |
200・・・週2ペース
400・・・週3ペース
1000・・・(全学年学習科目)・・・500相当・・・週3ペース
1400・・・(全学年学習科目)・・・700相当・・・週4ペース
赤色の部分を見るとよく分かりますが、基本四教科において
大幅な時間の増強が行われていることが分かります。
特に、国語算数は6年間学習する物ですので、きっかけとなる初めの
機会を逃してしまえば、数年単位で「算数が嫌い」と言う現象に陥ってしまいます。
そして、小学生の何よりの楽しみである体育の時間も増えています。
57時間の増強ですので、おそらく時間割的には半分で割る事と思われます。
ただ、調べ学習などを中心に行ってきた総合学習が削減され、他の教科の授業の
割り当てに回されたということは、総合学習で養える力「資料活用力」などは、
今の子供には著しく教え付けるべきではないという結論に達したのでしょうか。
複数の資料を一つの画用紙にまとめる作業が減るということは、資料を活用出来ない、
つまり多くの情報を自分の中でまとめ、一つにする力を持つ子供が減って
いってしまうのではないかという弊害が予想されます。
基本教科の授業が増え、インテリになるのはいうまでもありませんが、一方で
インテリになりすぎて情報機器類の操作方法などを
知る子供が減っていったのでは、意味がありません。
2.中学校
[350以上の部分は赤+太字] 小数点第一位以下四捨五入
教科 | 国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 音楽 | 美術 | 保体 | 技家 | 外国 語 |
道徳 | 総合 | 特活 | 選択 教科 |
合計 |
新時間数 | 385 | 350 | 385 | 385 | 115 | 115 | 315 | 175 | 420 | 105 | 190 | 105 | - | 3045 |
新時間数 占める 割合(%) |
12.6 | 11.5 | 12.6 | 12.6 | 3.8 | 3.8 | 10.3 | 5.8 | 13.8 | 3.5 | 6.2 | 3.5 | 0 | 100 |
現行 時間数 |
350 | 295 | 315 | 290 | 115 | 115 | 270 | 175 | 315 | 105 | 335 | 105 | 280 | 2940 |
現行 時間数 占める 割合(%) |
11.4 | 9.6 | 10.3 | 9.5 | 3.8 | 3.8 | 8.8 | 5.7 | 10.3 | 3.4 | 10.9 | 3.4 | 9.1 | 100 |
100・・・週1ペース
200・・・週2ペース
300・・・週3ペース
400・・・週4ペース
中学校においても、高校受験を想定してでしょうか、
基本五教科の増強が行われました。
特に注目すべきポイントは、選択教科が無くなったという点。
学校や地域によって必須となっている場合には設けることも出来ますが、
その分明らかに他の教科の授業数が減ります。
その辺のバランスをどう管理するかは、学校に懸かっています。
最近の中学生は、パソコンの普及、ゲーム機の普及に煽られ、イメージ的には家にこもり、
外であまり遊ばないという子供が増えてきているような気がします。
特に都会では、外に出ても行く場所がなく、その分遊ぶ場所も
少ない中で、何かと誰かの家に集まってゲーム・・・と言う
中学生が増えてきているような気もします。
(田舎の場合は、極端ですがそのような場所がありませんから、
自然と親しむなどという貴重な時間を過ごすことが出来ます。)
それらへの対策として、保体の時間が45時間増強されています。
これもまた中途半端な数ですが、
現在の週3から臨週の週4に再構築される可能性もあります。
選択教科というのは意外に生徒の娯楽の時間であったりもします。
自分の好きな教科を受けることが出来るのですから、授業の足しになるか
どうかは分かりませんが、明らかにマイナスになることはないでしょう。
それを削ってまで基礎教科の授業に回しているということを考えると、現在の
時間割構成で修正可能な限界まで修正を行っている
→つまり、この改正と共に学年をまたぐ人(現在の中学一年生以上)は
少し苦労を強いられる可能性があります。
また、精神的に慣れるまでに時間がかかるなどの弊害も予想されます。
・移行スケジュール
1.小学校
年度 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
新学習指導要領 | 周知のみ | 先行実施 | 全面実施 | ||
新教科書 | 編集 | 検定 (補助教材利用) |
採択・供給 (補助教材利用) |
使用 |
2.中学校
年度 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
新学習指導要領 | 周知のみ | 先行実施 | 全面実施 | ||
新教科書 | - | 編集 (補助教材利用) |
検定 (補助教材利用) |
採択・供給 (補助教材利用) |
使用 |
今までもゆとり教育ではありましたが、教科書内に発展的な内容が出てくるなど、
過去に比べれば少し厳しくはなってきています。
しかし、小学校では来年度の編集において教科書の内容が一新されることから、
発展的な内容が必須となる部分もある可能性もあります。
私は今回のゆとり教育の見直しに関しては、基本的に賛成です。
なぜなら、あらゆる面で「努力すること」の大事さをまずは勉強から味わって欲しいから。
パソコンでもなににおいてもそうですが、勉強をせずにテストで良い点を、入試で良い点を、
というのは不可能です。毎日毎日の積み重ね、これこそが勉強であるというふうに、
新しい教科書で身の詰まった学習を未来の子達が担い、
この世の中がもう一度しっかりした学力・基礎知識に溢れ、
そのうちあらゆる企業に就職し、脱ゆとり世代が基盤となるような、
そのような世の中になればいいのではないかと思います。
(実際はなかなかそうはいかないと思いますが。)
今後に期待します。
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無題
>最近の中学生は、パソコンの普及、ゲーム機の普及に煽られ、
>イメージ的には家にこもり、外であまり遊ばないという子供が増えてきているのが実情です。
全然そんなことないですけどw。
うちの弟(中1)なんて、平日も休みの日も、長期的な休み(夏休み等々)も、
ほぼ毎日のように、野球部です。
休みなんて、朝から夜まで。
私も遊び相手が居なくて、困っているところです^^;
>イメージ的には家にこもり、外であまり遊ばないという子供が増えてきているのが実情です。
全然そんなことないですけどw。
うちの弟(中1)なんて、平日も休みの日も、長期的な休み(夏休み等々)も、
ほぼ毎日のように、野球部です。
休みなんて、朝から夜まで。
私も遊び相手が居なくて、困っているところです^^;
Re:無題
まぁ、環境によりますよね。
「帰宅部」という妙な部活が生まれてきたのも
ごく最近のことですし、いろいろ
事情はあると思うのですが・・・
結論的には「(部活・スポーツ少年団など以外で)
外に積極的に出る」子供というのが
少なくなってきている、と。
「帰宅部」という妙な部活が生まれてきたのも
ごく最近のことですし、いろいろ
事情はあると思うのですが・・・
結論的には「(部活・スポーツ少年団など以外で)
外に積極的に出る」子供というのが
少なくなってきている、と。
さいきん
(07/24)
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