ソフトウエア最大手の米マイクロソフトは2日、パソコン向けの
新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」を一般向けに
10月22日に発売する、と明らかにした。
来年初めとしていた当初の発売予定を前倒しし、年末商戦に間に合わせる。
世界のパソコンのうち90%以上が「ウィンドウズ」を搭載。
マイクロソフトはOSから利益の半分超を得ており、戦略的な重要性が高い。
07年に発売された現行OS「ビスタ」は、人気が伸び悩んでいる。
ちなみに、Vistaは2007年1月30日に発売されたOSだが、確かに「操作性の向上」
「視覚的、直感的なインターフェイス」を訴えて誇らしげに登場したが、他の部分、
例えば互換性や要求スペックが当時のスペックと合致していなかっただけに、
導入を見送る人が大勢いた。
ただ、Vistaによって販売店側にはとんでもないメリットが生まれた。
「グラフィックボードの需要拡大」である。
マイクロソフトはVistaが本来の力を出すにはグラフィックボードが必要との見解を示しているが、
利用者側から見れば「グラフィックボードがなければVistaは使えない」のような
空気になってしまい、多くの利用者がグラフィックボードを購入していったのである。
(XP以前のOSではグラフィックボードが無くても特に支障はなく、それでも
グラフィックボードを付ける人はよっぽどのゲーマーか
専門の知識を持つプロのみと考えられていた)=一般ユーザーにもグラボの名前が浸透
=グラボの需要拡大=グラボメーカー売上増
そして、Vistaが発売されている間に他の部品も大きな進化を遂げた。
一つ目が「SSDと1TBHDDの登場」
記憶媒体の容量も高くなり、
身近と言われたメモリーカードの容量あたりの単価もかなり安くなった。
これにより情報管理の意識が低くなるのではないかと危惧されているが、
より多くの情報を記録できるようになったという観点から見れば、
それは技術革新の一つとして捉えるべきだろう。
高速ディスク、大容量ディスクが登場することは技術革新の自然な流れなのである。
二つ目が「Corei7を始めとする次世代CPUの出現」
CPUは、コンピュータの頭脳である。
すなわち、CPUの頭脳次第でコンピュータはいくらでも高速化できると言うことである。
実際、Corei7などの高速CPUの登場で、動画編集の分野はもちろん、画像処理などの
クリエイティブな職種のコンピュータは少なからずその恩恵を受けているはずである。
また、高速CPUが普及すると言うことは、企業レベルだけではなく個人レベルにおいても
高速なCPUが普及していると言うことになり、毎度のことだが
当然それはOSもそのCPUに対応していかなければならないという展開になるのである。
少し脱線して、どのユーザー層が7のパッケージ版(およびバンドルPC)
を買うかと言うことについて考えてみるが、
少なからずVistaユーザーの半分は購入しないであろう。
なぜなら、基本的に「1世代のアップグレードは意味がない」という教訓から。
急いで7にアップしても、元の原型はVistaの改変版というのだから、根本は変わっていない。
とすると、大してメリットがあるのかというとそれは新機能によるものでしかない。
XPユーザーも3割程度は7を保留するのではないだろうか、
XPユーザーが抱えているのは大抵スペックの低いパソコン。
その環境下でXPより早く動いてはじめて7のメリットを感じるのではないだろうか。
Vistaほど「使いにくい」と嘆かれたOSは未だかつて無いのではないだろうか。
Vista使いから見れば、「使いにくい」と嘆くのは自分が使い方を習得しようとしないからであり、
自分から携帯電話のメーカーを変えて「使いにくい」と嘆いているのと同じ事なのである。
ユーザーインターフェイスががらりと変わると言うことは、
新しい使い方を習得する必要があると言うことだ。
使い方など、説明書やヘルプを見ればいくらでも書いてある。
そこから、学び取れば済むだけのことである。
ただ、OSは機能が多すぎてメーカー自身も説明書を付けていないのが現状である。
残念なことに、OSの使い方は、直感的に覚えていくほか方法はないだろう。
これだけだと単にユーザーへの批判になってしまうので、メーカー側にも一言。
直感的な使いやすさを求めて新しいユーザーインターフェイスを開発することは
技術革新の面から見れば悪いことではないが、せめて前バージョンのユーザーにも
分かるように改変をある程度までに抑えておく必要があるだろう。
自己満足のためにとことん変えていけば、それは開発者としては
十分とも言える達成感や自信となって帰ってくるだろうが、
それと反比例して当然その製品を使うユーザーは減っていく。
サービスパックを入れたとたんにAeroが使えなくなれば、大問題となるのと同じように。
良い製品と、正しい製品を提供するというのは微妙に意味合いが異なるのである。
開発者はこの辺のことを肝に銘じておく必要があるだろう。
その意味合いを感じながら、ユーザーはメーカーが
提供する製品を適切に取捨選択し、自分の目的に合わせて
コンピュータを使っていく能力を身につけなければならない。
前倒し販売とのことだが、周囲に釣られないように。
自分の意志で購入なりをしなければ、結局後で自分が後悔するだけなのである。
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さいきん
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