2010年9月16日、マイクロソフトがInternet Explorer 9のbeta版の公開を開始しました。
今回は、「速攻レビュー」ではなく品質重視の「詳細レビュー」と致しました。
その理由としてはいくつかありますが、まずは不具合が多いということ。
で、この不具合の啓発も兼ねて当方は9月17日にbeta版をインストールしましたが、
それから一ヶ月経った使用感などというものがあると思います。
後発ならではのレビュー品質、というものを今回は重視していきたいと思います。
1.ダウンロードとインストール
(画像はクリックすると拡大します。)
まず、このページを開くと上のような画面が表示されますので、日本語の欄を探して、
適切なバージョンを選択して、ダウンロードをクリックします。
ビットというものがありますが、ほとんどのパソコンは32ビットとなります。
しかし、メモリが4GB以上認識されているのであれば64ビットとなります。
分からない場合は、まずは32ビットを選んで、
それで拒否られた場合には64ビットを選ぶようにしてください。
IE8のダウンロード画面。IE9を入れればこの画面はもう二度と見ることが出来なくなります。
IE9では、ダウンロードマネージャーといって
他のブラウザのようにダウンロードが一元管理されるようになっています。
あれ?これがIE9のインストールウイザード?といえるぐらい小さくなっています。
IE9がVista以降の対応となったので、
このようなダイアログ形式での表示が可能になったと言うことでしょうか。
いろいろとかけ離れているXPへの対応を行わなくてよくなったので、
マイクロソフトとしては7ベースで作ったプログラムに少し手を加えるだけで
Vista対応に出来るので、移植期間の短縮ができるというメリットもあるのではないでしょうか。
「インストールする」をクリックするとインストールが始まります。
なお、一連のインストールプロセスは3分ほどで終了します。
このインストール時間の大幅短縮もIE9の一つの進化点と言えるでしょう。
まずは必要な更新プログラムから。
といってもせめて更新プログラムがあるのかないのかぐらいは表示して欲しいところです。
ここで本体がインストールされていきます。
言語パックのインストール。まあ正直あまり興味はありませんが。
インストールが完了しました。
が、IEが起動中であったため「使用中でした~」というくだりの文章が表示されています。
一応使用するためには再起動が必要らしいですが、既にIEのファイルは
書き換わっているので、再起動しなくてもIE9を起動することは出来ますが、
安全のため再起動することをお勧めします。
2.IE9の画面
これがIE9の画面です。これを見た瞬間、IE8には戻れなくなりそうなぐらいです。
えっ!!
まず驚かれる方が多いかと思います。
なぜなら、Google Chromeに非常にUIが似ているから。
似すぎだろ!ってぐらい似ています。
これもまた戦略的にUIを変えたらしく、
「Webページが主体」となるように変更されたとのこと。
ブラウザはWebページを見せるためのものですから、
ブラウザ自身がブラウジングの邪魔をしてはいけないということ。
以前も書きましたが、システムを守るはずのセキュリティ対策ソフトが
システムの邪魔をしてはいけない、システムを重くさせてはいけない、ということ。
マイクロソフトもやっと今までの独占体制から
重い腰を上げて、企業間競争で顧客を奪われないよう、
生き残るための道を選択したようです。
ステータスバーについてはページの表示領域を最大限確保するためデフォルトで
表示されなくなり、検索ボックスについては、廃止されてアドレスバーと統合されました。
2-1.簡易化されたメニュー
メニュー類もかなり簡素になりました。
メニューの非表示のデフォルト化はもちろん(Altキーを押すと一時的に表示できます)、
ボタンも右の三つだけ。かなり驚きました。
まず、一番左はホームボタン。事前に設定されているホームページにジャンプします。
その次は、お気に入りボタン。これをクリックすると、IE8と同じように
お気に入りウィンドウが表示されますが、IE8では左に表示されていたのが、
IE9では右に表示されます。やはりボタンから近いからでしょうか。
最後の設定ボタンをクリックすると、設定系のメニューが表示されます。
ということで、IE9であったページボタンというものは廃止されました。
オフライン作業にしたり、ページのプロパティを見たりすることが
ほとんど無くなったからでしょう。
ページのプロパティなどを見たい場合は、
Altキーでフルメニューを表示させて操作を行う必要があります。
なお、ページの保存はフルメニューを開かなくても行えます。
上のメニューを表示させた状態から「ファイル」メニューを展開すると表示されます。
2-2.ダウンロードの表示と追跡
IE9では、他のブラウザに追随すべく、
ダウンロードファイルの一元管理システムが導入されました。
今まではファイルをダウンロードする時はダウンロードのフォームが開いて
ダウンロードをしていましたが、この一元管理ウィンドウの導入により、
ダウンロード画面が開きまくることはなくなりました。
また、ダウンロードの一時停止なども出来るので、IE8より進化したと言えます。
ただし、転送率が表示されなくなったのは少し悲しい点でもあります。
製品版での復活を期待します。
2-3.バージョン情報
で、こちら、バージョン情報。
きっちりと「beta」と記載されています。バージョン情報の画像の部分まで
betaと出るのですから、MSとしてもかなり力を入れている製品ということになります。
まあ時期的には、Windows 7開発の片手間で、という点が大きいかもしれませんが。
2-4.acid3で95点
さて、話題のacid3。
IE8ではいっても20点がせいぜいでしたが、IE9ではまさかの95点をマーク。
「あのIEが?」「嘘でしょ?」と思われる方もいるかと思いますが、本当です。
ただし、XPではIE9をインストールできない部分が少し残念です。
IE9を体験するには、Vistaか7へのアップグレードが必要です。
XPで体験する方法は・・・しいて言うならXP上にVirtual PCをインストールして、
その仮想ディスク上でVistaや7を動かすぐらいでしょう。
点数については、あと5点上げる気がMSにあるのかどうかによって、
これからのシェアというものも変わってきそうな気がします。
2-5.最も頻繁に利用するサイト
新規タブを開くと、「最も頻繁に利用するサイト」という画面が開きます。
これも他のブラウザに追随したもので、SafariのTop Sitesなどとよく似ています。
ただし、SafariのTop Sitesは毎回最新のサイト情報を取得しに行くので
非常に重いですが、こちらは単に情報だけを表示するため非常に軽いです。
ただし、ごく稀に全てリセットされることがあるので信頼性は相変わらずですが。
10個ではなく、もう少し枠を増やしてもいいような気もします。30個ぐらいに。
2-6.ページ拡大でも見やすい文字
Yahooのサイトを拡大表示してみました。
GPUアクセラレーションの影響があるのでしょうか、拡大してもきちんとジャギー
(拡大した時に表示されるギザギザ)が発生しないよう
アンチエイリアシング処理がなされています。
文字テキストのレンダリング方法が大きく変更されたのが見て取れます。
2-7.バグレポート送信
もしバグなどがあればこの「不具合レポートの送信」から、
マイクロソフトの開発チームに注文を送信することが出来ます。
本当にその意見が取り入れられて、修正に結びつくという保証はありませんが。
ということで、一番右の設定マークをクリックし、
「フィードバックの送信」から送信することが出来ます。
なお、この送信にはWindows Liveアカウントが必要になります。
2-8.ファイルダウンロード
exeなど、ダウンロードファイルのリンクをクリックすると、
画面の下側に実行か保存かを尋ねるダイアログが表示されます。
今まではフォームが表示されていましたが、そのフォームを
廃止して、下側に小さな画面が出る仕様としたようです。
ドラッグによる位置移動はできません。上のオレンジの部分をドラッグしても不可能です。
保存のメニューをクリックして展開すると、
「保存」「名前を付けて保存」「保存して開く」が表示されます。
また、このような表示形式であることから、
これが表示された状態で他のタブの操作を行うことも出来ます。
(他のタブの操作をしても、この画面が消えることはありません。
さらに、同じタブで複数のダウンロードリンクをクリックしても、
画面が重なって表示されるだけで、上書きされることはありません。)
実行なり保存なりでダウンロードを開始すると、ダウンロードが開始されます。
%と秒数が表示されますが、1秒あたりどれぐらい転送できているという転送率の情報も
欲しいところです。これでサーバーの異常があるか無いかが一発で分かりますから。
ちなみに、ダウンロードは今までのIEとは違い、一時停止が出来るようになりました。
一時停止をクリックすると、その部分が再開の表示に変わるだけです。
ほとんどダウンロードを一時停止する機会はありませんが、今までだと回線が
切断された時でも一からダウンロードして無駄な時間を過ごしていたと
考えると機能の便利さを改めて感じます。
ダウンロードの画面にある「ダウンロードの表示」をクリックすると、上の画面が表示されます。
ダウンロードの検索が出来るようになったほか、
個別の一時停止なども行うことが出来ます。
この画面を見ると、某ファイル共有ソフトのダウンロード画面のようにも見えますが、
ダウンロードを並行処理・統一管理できるようになったのは、一気に複数の
ファイルダウンロードを行うヘビーユーザーには便利な機能と言えます。
また、ダウンロード後も項目を消さないようにすれば、ダウンロードしたファイルが
どこへ行ったかなどと探す必要もなくなるのではないでしょうか。
2-9.IE9基準もほとんど崩れなし
acidで95点を取ったというIE9基準で本ページ「振り返る日常」を表示させてみました。
大きくページが崩れるかと思いましたが、特に崩れなどはなし。
ほっとしました。
なお、ページが崩れている場合にはIE8にあった「互換表示」を引き続き利用できます。
この互換表示をクリックすると、ページをIE6基準でレンダリングし直します。
なお、互換表示をクリックすると、その互換表示を行ったページが記録され、
次開いた時もそのページは自動的に互換表示で表示されるようになります。
2-10.タブの分離と結合
なんと!!
今まで出来なかった
タブの切り離し(分離)と統合(結合)も行えるようになりました!
他のブラウザでは当たり前に出来ていた機能ですが、IE8だけが唯一非対応でした。
他のブラウザの機能を見てきて悔しがっていたのでしょう、
IE9でもついに対応となり、今後はブラウザ標準の機能として認知されていくことでしょう。
タブを切り離すと、上のように、そのタブが別ウィンドウで表示されます。
なお、そのタブを他のブラウザウィンドウに編入させたい場合は、
編入させたいタブをIEのウィンドウ内にドラッグアンドドロップします。
これでタブの結合が出来ます。
3-1.IE9公式サイト
これがIE9の公式サイト、というか宣伝サイトです。(IE9以外のブラウザからでも見ることは
出来ますが、非対応ブラウザでは一部のテスト項目がクリック不能になっています。)
「IE9(HTML5)では実はこんなことも出来ますよ!」と宣伝するための
スクリプト集が置いてあるマイクロソフトのサイトなのですが、
よくよく考えると「こんなサンプル使う場面などない!」とつっこめるものも中には。
ここでは数多くのサンプルの中から、ポピュラーなものをいくつか見ていくことにします。
3-2.acid3 95点の宣伝
IE9の公式サイトでもacid95点がおもいっきりキャプチャ付きで宣伝されています!
まだまだこれで驚くのは早い。
MSが力を入れているのはどうもAcidで満点を取ることではないようです。
現在の公式サイトでは、acidのページには5点の具体的な理由には触れず、
「なぜ5点を取れないのか」の言い訳を抽象的に掲載したものに書き換わっているようです。
3-3.IEが5項目テストでトップ
この表を見てください。
これもIE9の公式サイト内にあるのですが、まず上の
「Cross-browser Test Results Summary(ブラウザ横断テスト結果の概要)」から。
IE8が5つのテスト項目において上から順に0%、0%、11%、4%、7%であったのが、
IE9では逆転、他のブラウザを抜き去り一位であることが宣伝されています。
その値は驚愕の97%、100%、98%、100%、100%となっています。
(現在は画像の値とは変わっていて、98%、100%、98%、99%、100%となっています。)
まあマイクロソフト基準で自社開発のIEですから、100%になるのは当然のことでしょう。
他のブラウザもこのマイクロソフト基準で標準化に向けて本気で努力すれば、
どのブラウザも100%になってこの指標は意味をなさなくなる気がします。
試しにCSS3のタブを開いてみると、単位を落としている(fail)のは「font-size-adjust」と
「font-style-descriptor」のみとなっています。
この項目はFirefoxではpassしていますから、IEにもできないことはないでしょう。
3-4.ドベからそこそこへ JavaScriptベンチ
次に、これはJavaScriptのベンチとして有名なSunSpiderのベンチマーク結果。
(テキスト版はこちら)
ブラウザの速さを知る指標としてよく使われています。
IE9の公式サイトでもIE9の優位性を宣伝するために掲載されているようです。
JavaScriptの実行速度 この結果を見ると
IE8に比べて
約11分の1! (3746→322)
しかもIE9のベンチマーク値はFirefox 3.6.8よりも、Firefox 4.0 Pre-Releaseよりも、
Safari 5.0よりも速くなっています。でも、上がいないわけではありません。
デザインの参考にしたと思われるよきライバルGoogle Chrome 6.0やOpera 10.6、
Chrome 7.0には譲りましたが、IE8との差に比べれば微々たるものです。
実際の仕様において差を感じることはほとんど無いように思います。
今までIE8はJavaScriptのベンチマークといえばドベが定番でしたが、IE9になって
ようやく他のブラウザと勝負できるレベルになってきたのではないでしょうか。
今後の製品版までのチューニングに期待がかかります。
3-5.CSS3の完璧さを宣伝
CSS3のSelectors Testの結果も表示されています。
これをIE8、あるいはIE6互換表示で表示すると、fail(赤)の項目が大量に表示されて
真っ赤っかになるのですが、IE9だと緑の項目だらけ。赤い項目は一つもありません。
画面中の英文の最後の一文を読むことで、それぞれの件数を知ることが出来ます。
「From the 43 selectors 43 have passed, 0 are buggy and 0 are unsupported
(Passed 578 out of 578 tests)」
日本語訳「43個の項目のうち、43の合格(を持っている)、
バグ項目は0で、非サポート項目は0です。(合格テストは578個中578個です。)」
ということで、IE9のCSS3はこのサイトによれば
満点合格!
ということです。
3-6.Flying Image
一番何気に面白いのがこのFlying Imageです。
簡単に使い方の説明をしておきますと、右上のリンクで一連の操作ができます。
まず、「Increase」で数が増えます。
逆の「Decrease」をクリックすれば数を減らすことが出来ます。
で、「Zoom In」で拡大、「Zoom Out」で縮小します。
そして、左側については、「Default IE Logo」でIEのロゴだけになります。
上の画像のように競合ブラウザのアイコンを出したい場合は、「All Browsers」をクリックします。
数を増やすと左上のFPSが減っていくこと、
数を減らすと左上のFPSが増えていくことを確認してください。
やはりこれに関しては3D描画であることから、
GPUを利用するIE9が最もよい成績(FPS値)を出します。
4.主な不具合
VistaにデフォルトでインストールされているIE7から、IE8→IE9とアップグレード
インストールした環境では、不具合が発生することがあります。(高頻度で発生します。)
当方で確認した解決不可能な不具合については
一覧形式で後述していますので、ご覧頂ければと思います。
おそらくIE9自体が7ベースで開発されたため、Vistaへの最適化が
まだ足りていない、というのにしろ、これはひどすぎです。
不具合については画像があるので説明するまでもないと思いますが、
サイトの画像が一切表示されない!
これはひどいです! 致命的!
上のサイトはYahoo!ですよね。
それでは、下のサイトは何だと思いますか?とクイズを出せるぐらい。
ホワイトプランとかアドレスバーとかを見れば分かると思いますが、ソフトバンクですね。
なお、一度どこかで何かの拍子でページの画像が表示されなくなると、
更新ボタンをクリックしたり、他のページを開いても、新しいタブを開いても、
タブを複製しても、どのページの画像も表示されません。
専門用語で言うと、ページの画像レンダリングが途中で中断されます。
そもそも、画像を一切受信しようとせずに「ページが表示されました」扱いになります。
これだと表示速度は速くなったと言えど、ネットサーフィン的には不快感が募るばかりです。
ただ、IE自体を開きまくると、4回目か5回目でやっと解決します。
が、一時的なもので、永続的な解決策はありません。
完全にIE9の気まぐれにユーザーは振り回されることになります。
これが原因でIE8に戻す人や他のブラウザに移行する人が出てきても、
マイクロソフトは文句は言えないでしょう。
なお、インターネットオプションの詳細設定から「GPU レンダリングではなく、
ソフトウェア レンダリングを使用する*」のチェックをオンにすれば解決する可能性もあります。
さらに、一部の画像だけ表示されている場合もあることから、キャッシュに頼る割合が
増えた、あるいはIEはページ内の全ての画像がキャッシュされていると思い込んでいるが、
実際は全てがキャッシュされていないので表示されないと考えることも出来ます。
定期的にキャッシュを削除すると一時的に画像が表示されることもありますが、
これは永続的な解決策ではありません。
ページの読み込み中に他のページに移動すると、本症状が発生する頻度が上がります。
なお、InPrivateモードでは本症状は一切発生しません!
このことから、キャッシュの問題ではないかと推測します。
また、Superfetch機能の停止で解決する可能性もあります。VistaのSuperfetchは
7のSuperfetchよりも厳格で、なんでもかんでもキャッシュしてしまうため、
一部のアプリケーションにおいて予期せぬ動作が起こることがあります。
ソフトの起動速度が速くなると言いますが、ある程度のCPUスペックがある場合には
オフにしてもさほど変わりません。
コントロールパネル→管理ツール→サービス→Superfetchを見つける→
右クリックプロパティ→スタートアップの種類「無効」を選択→下の停止ボタンをクリック→OK
Superfetchを停止するメリット=HDDアクセスが減る、突然ガリガリしなくなる
Superfetchを停止するデメリット=メモリ使用率が上昇する、ソフトの起動が遅くなる
例えば、WMPで音楽を再生中に×をクリックしても音楽が流れっぱなしであるのも
Superfetchがオンである弊害の一つであったり、今回のIEも基本的にSuperfetchの
緩い7に最適化されたものであり、Vistaへの最適化がまだ進んでいないと言うことを意味します。
beta版だから許される、というところもあるのかもしれませんが、
次期ビルドではこの重要な問題を修正してもらいたいものです。
また、IE9のインストール直後、エクスプローラの「検索」の下らへんに変な線が
出てきたなと思ったら、Altキーを押してエクスプローラのメニューを表示させ、
表示→ツールバー→ツールバーを固定するとクリックしていきます。
すると、線が消えますので、気になる方はお試し下さい。
5.Q&A
ここでは、IE8ユーザーがIE9に対してよく抱くであろう質問を掲載しています。
1.単独の検索ボックスはどこへ行った?
-廃止され、アドレスバーと統合されました。
使い方としては、アドレスバーに直接検索語句を入力してエンターを押します。
すると、基本的に語句など、ドメイン解決が出来ないものは
基本的に検索ページにジャンプします。
なお、普通に入れてエンターを押すとアドレスにアクセスしてしまいますが、
アドレス検索を強制的に明示させることも出来ます。
そのような場合は、「?(半角スペース)アドレス」として検索します。
2.新しいタブをクリックした時に、一番右端に表示されないのですが?
-デフォルトで設定がオフになっており、設定の変更が必要です。
画面右上にある設定ボタンをクリックし、インターネットオプション→タブ→
設定(T)→「新しいタブは現在のタブの隣に開く」チェックをオフにし、
OKをクリックして設定完了です。
3.タブが色分けされなくなったのですが?
-設定の変更が必要です。(デフォルトで設定がオフになっているかどうかは不明)
画面右上にある設定ボタンをクリックし、インターネットオプション→タブ→設定(T)→
「タブグループを有効にする*(G)」チェックをオフにし、OKをクリックして設定完了です。
なお、これについてはIEの再起動を行うまで設定内容が反映されません。
4.タブのサムネイル表示をしたいのですが?
-デフォルトで設定がオフになっており、設定の変更が必要です。
画面右上にある設定ボタンをクリックし、インターネットオプション→タブ→設定(T)→
「クイックタブを有効にする*(Q)」チェックをオフにし、OKをクリックして設定完了です。
なお、これについてはIEの再起動を行うまで設定内容が反映されません。
5.2つ前、3つ前のページには戻れないのですか?
-戻れますが、IE9では隠し機能化されました。(一種のイースターエッグ?)
戻るボタンを長押しすることでメニューが表示され、
2つ前、3つ前のページに戻ることが出来ます。
IE8にはなかった独特な操作方法ですので、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。
6.ステータスバーはどこへ行った?
-デフォルトでは表示されなくなりました。表示するには設定の変更が必要です。
ただし、今までステータスバーを独占して表示しているだけの情報であった移動先のアドレス
については、リンクをマウスオーバーすると、ツールチップで左端又は右端に表示されます。
表示するには、Altキーを押してフルメニューを表示させて、
表示→ツールバー→ステータスバー(S)をクリックすることで表示できます。
7.セッションの回復は行えますか?
-行えます。ただし、IE8のようにダイアログ形式では表示されず、ファイルの
ダウンロード時と同じように画面下にこっそり表示されます。
しかも、初期ページから他のページに推移してしまうと、セッションの
回復の画面が自動的に消えて回復情報が全て破棄されるので、回復を行う場合には
早めに「セッションの回復」をクリックする必要があります。
6.不具合一覧
当方が1カ月使用して、確認した不具合は以下の通りです。
1.セッションの回復時、正常に回復されない場合がある
-特に不意の電源断などによって再起動後に回復する場合に発生頻度大。
復元時、変なホームページだけのウィンドウが多数(5~20個)開く。
一気に大量に開くため、環境によってはシステムごとフリーズする場合も。
2.新しいタブを押した瞬間、ホームのボタンを
クリックすると稀に一つ前に開いていた
タブのページがホームの画面に切り替わる
-こうならないようにするには、新しいタブを押した瞬間、
タイトル部分に「新しいタブ」と表示されるまで待って下さい。
タイトル部分が空欄の間にホームのボタンをクリックしてしまうと、一つ前に操作していた
タブでホームのボタンが押されたと判断し、一つ前に操作していたタブの
ページがホームページに切り替わるので注意が必要です。
3.2ch(2ちゃんねる:巨大掲示板群)に書き込めない
-いじめか!!!!
2chのスレの書き込みボタンをクリックした瞬間「応答を停止しました」と表示されます。
何ら重いサイトでもないのに。同じ仕組みであるはずのブログの投稿ボタンなどは
異常ないのに、なぜか2chだけ応答を停止します。
もしかするとマイクロソフトの策略か? それとも2chの陰謀か?
4.ページが突然応答を停止する
-生意気です。応答の停止後、タブの復元を試みようとしますが、何度も試みようとすると
「タブの復元に失敗しました」みたいなこれまた生意気な画面が表示されます。
応答停止のレベルが深刻な場合は、WindowsにばれてWindowsから
「応答を停止しました」と表示されますが、その場合はHDDにものすごく
アクセスしまくってシステムのレスポンスがかなり低下します。
しかも回復するまでに5分程度かかるので、といってもこれは全てIE9が元凶なんですけどね。
また、応答停止時に表示されるプロセス名もIEではなくページドメインとなっていて、
あくまでもIEではなくページが悪いんだ!ページがIEを落としたんだ!IEは悪くない!と
責任転嫁しているMSの姿勢も少し見て取れます。
特にFlashなど動きのあるコンテンツを多用したページのほか、Wikipediaとの相性も悪く、
Wikipediaを5ページぐらい開いていると、応答を停止します。
最悪システムごと落ちます。価格.comのレビューページやYouTubeも重いようです。
応答の停止については、グラボとの連携部分である
レンダリング関係に不具合があるのではないかと推測。
GPU開発元のグラフィックスドライバによるIE9への最適化を期待。
5.カスタマイズ系のサイトで
メニューが表示されないなどの不具合
-ユーザー自身で表示項目などをカスタマイズできるサイトにおいては、
IE9基準では正しく表示されないことがあります。
これはサイト運営者がIE9基準に合わせていないだけなので、運営者がどうするかに
かかっているのですが、表示させたい場合はIE6互換表示を利用します。
6.ごくまれに「ページが表示できません」とほざく
-画像の受信を行わないという現象は前述しましたが、
ごく稀にページデータさえ受信しないこともあります。
そのため、インターネットにつながっているにもかかわらず
「ページが表示できません」とほざきます。
これは、他のブラウザを開いてページが表示できるかどうかを確認すれば一発で分かります。
なお、「ページが表示できません」の画面が表示されている状態で更新ボタンを
クリックしても、そのページ自身が更新されるだけなので意味がありません。
エンターキーを押すなり、別のアドレスを入れるなり、ホームボタンをクリックするなり、
何なりのページ移動の処理を行う必要があります。
7.一部ページで、ページ内の領域をクリックすると
半透明で黒くフェードアウトするページ有り
-本当にごく一部のページですが、これらの現象が発生した場合は
ページではなく、IE9のせいであることをお忘れ無く。
8.タブ切り替え時に、一瞬前に開いたページが表示される
-タブを切り替える時に、一瞬以前に開いたページが表示されます。
ほんの0コンマ何秒の世界ですが、人間が見て分かるのですから、
内部的にはかなり長い間表示されていることになります。
確かにGPUとの連携という高度なレンダリング技術を搭載しているのは分かりますが、
タブの切り替えの切り替え(つまり2重切り替え)みたいな処理を内部的に実行しているようで、
ユーザー側から見れば少し不快です。早急な改善を望みます。
9.Flashを組み込んだ一部ページにおいて、
ページ表示に時間がかかる
-おまけにFlash自身がとても重くなっていることもあります。
Flashの開発元であるAdobeのIE9への最適化に期待です。
そんなこんな不具合だらけのIEですが、IE8に比べてものすごいぐらいの新機能もあります。
IE7→IE8の新機能より確実に上です。
7.新機能
1.タブのウィンドウ間の移動
-タブをウィンドウをまたいで分離・結合できるようになった。
他のブラウザでは当たり前の機能(IE8がリリースされた頃から既にデファクトスタンダード)
だっただけに、ようやくMSが重い腰を上げたということになる。
2.ダウンロードの追跡 カーネルと統合
-これも他のブラウザでは当たり前の機能であった。
IE8の全盛期、他の競合ブラウザでダウンロード時に
フォームを開いてダウンロードしていたのはほとんど無かったと思われる。
3.アドレスバーと検索ボックスの統合
-これはFirefoxでは未だに統合されていないことから
デファクトスタンダードとは言えないが、いずれ追随すると思われる。
この検索ボックスに語句を入れた時に、GoogleのI'm Feeling Lucky機能が
自動で働いてくれるとさらに便利なのですが。
(例えば「無期限くりこし au」と入れると検索結果を表示することなく、
auの料金プランを説明するページが一発表示)
4.acid3で95点
-これが数値的には大きなインパクトを与えるかもしれませんが、他の
競合ブラウザでは満点を取っているところもあり、IEの更なる開発と最適化が望まれる。
5.ページ描画の高速化
-ページのレンダリング(描画)に、GPUの力を利用するようになった。
これのせいでIE9はXP以下は非対応になってしまったのだが、Vista以降必須になったと
言っても過言ではないGPUを有効利用するのはソフトがハードに働きかけて、ハードの力を
使うという正しい使われ方、方向性になってきているのかもしれない。
6.JavaScriptも高速化し、GPUレンダリングとの相乗効果で
ページスクロールなどIE8比かなりサクサク "絶対的"に高速化
-これは新JavaScriptエンジンを搭載したというのもあるようだが、
一番大きいのはGPUレンダリングとの相乗効果。
二つが重なって、ページスクロールなどもかなりサクサク、
絶対的、目に見える形でサクサクになった、高速化したと分かります。
かなり分かりやすいです。普段競合ブラウザを使っている人でも。
IEの今までの常識を塗り替えるバージョンに仕上がっています!
7.スライドアニメーション付きのタブ移動
-タブを他の位置に動かす時に、アニメーション付きでスライド移動します。
IE8では対応していませんでしたが、GPUの力を使えるようになった
IE9に合わせて導入されたのかもしれません。
8.ページの表示に直接GPUを利用
YouTubeのHD動画もスムーズに
-GPUの力は、YouTubeなどの動画を再生する場面でも大いに生かされます。
今まではGPUのHD支援がWMPなど対応ソフトウェアのみでしか恩恵を
受けられないとして、有料の対応ソフトウェアが大いに売れていましたが、IE9であれば
ブラウザレベルでHD支援が行えるようになったことから、そこそこのGPUであれば、
720p程度のHD動画であればコマ落ち無く見ることが出来るようになりました。
(ただしIE9のみ。今現在、他の競合ブラウザでGPUのパワー利用を表明しているものはない)
1080pをコマ落ち無く再生するには、回線速度なども
重要になってくることから、総合的なマシンパワーが必要となってきますが。
9.インストール時間の大幅短縮
-初めの方に書いていますが、IE9のインストールは3分程度で終了します。
IE8のインストールは15分程度かかっていましたから、最大5分の1程度短縮されます。
今まではブラウザのインストールが長くかかるので、
「ブラウザコンポーネント一つ置き換えるのにこんなに時間がかかるのか。
そりゃWindowsコンポーネントの根幹に深く入り込んでいるからなあ・・・」なんて
考えていましたが、Vistaや7のIEは実はそうではなかったようです。
10.全体的にサクサク
-というわけで、いろいろと前作IE8よりサクサクになっています。
個人的には、IE8に比べブラウジング速度は50%程度高速化しているのではないでしょうか。
(計測したものではないため、一種の憶測に過ぎません)
11.eが見やすいアイコンに進化
-さらに、デスクトップショートカットが「インターネット」になったのを見ると、
初心者寄りになった?と思われる部分も多々感じます。
8.要望
1.マウスの移動量を考えて、各種通知は最上部、
ダウンロード系はマウスポインタ周辺
-IE6の時に最盛期だった「ポップアップブロック」の通知は最上部が一番よかったと思います。
2.ぶっちゃけ、戻るボタンだけでいいのでは?
-戻るボタン長押しでページ推移の履歴メニューが
表示されるのであれば、進むボタンは不要かと思います。
進むボタンなど、滅多に使わない。
戻るボタンは絶対必要ですけどね。
進むなんて、リンクをクリックすれば進むんですから。
3.リンク先のアドレスを左下or右下ツールチップではなく、
アドレスバーの右半分に表示
あるいはアドレスバーと統合。
-リンクをマウスオーバーすると表示されるアドレスをツールチップではなく、
アドレスバーの右半分に表示するか、あるいは色を変えるなどして
アドレスバー上に表示した方がいいかと思います。
ツールチップ、これは
ページ領域上に侵入してきますから邪魔なんですよね。
いくら一時的といえども。
9.結論
1.操作方法に癖がある
-不具合に振り回されたり、戻るボタンを長押ししないとメニューが出てこなかったりと、
新しい操作方法を覚えるまでは使いづらいと嘆く方がいるのも否めない部分はありそうです。
唯一の救いは、インターネットオプションのUIが変わっていない点。
でも、そろそろ手が付けられそうな気もします。
2.IE9がいまいち盛り上がりに欠ける理由
・不具合が多い
-これがIE8へのダウングレード、あるいは他のブラウザへの移行を加速させた可能性があります。
・Vista以降でなければ利用が出来ない
-XPのシェアが未だに高く、XPではIE9を利用できないため、盛り上げる基となる
IE9のユーザーの絶対数がIE8より減っているのもあるかと思います。
といってもXPのサポートもあと数年で終了するんですけどね。
3.新規開発の部分が多い分、完成度・実用性ではIE8 Betaより劣る
-やはり「初めて」のものは慎重に見極めなければならない、ということです。
「初めて」のプログラムに不具合はつきもの。エラーはつきもの。
なぜなら、調整があまりなされていないんですから。
ですが、今までこの「初めて」が積み重なって技術革新が何度も繰り返されてきたと
考えると、それを受け入れる姿勢がユーザーには求められているのかもしれません。
長々とIE9のレビューをお読み頂きありがとうございました。
一部の環境下で発生する不具合もいくつかあるので実用性は微妙ですが、
新しい物好きの方は入れてみて損はないのではないでしょうか。
Vista・7環境の方でまだインストールしていない方はインストールすることをお勧めします。
次期ビルドに期待して、締めとさせて頂きます。
これは、大失敗でした。動作が遅くなったという以前に、サーフィンしようにも、応答してくれないことが頻繁に起き、大変にいらいらさせられます。
IE8では正常に表示されていた頁が、一部欠けてしまったり「獲得ポイントはxxx」のように、肝心の部分が表示されません。どうも、マイクロソフトは速度を上げる競争では、太刀打ちできないようですね。
ちなみに、OSはWindows7/64bit版です。
あまりに動作が停止するので、Firefox4.0.1 をインストールし直しました。提供する側の奢りが有るかないかの差ですが、Google Chromeは、嫌らしい契約条件が有ったので、動作が速いらしいですが、インストールの対象から外しました。Googleは、自動で常に最新の更新ファイルを導入する旨を謳っており、パソコンの中身をぶち明けられたら目も当てられませんので、Googleは危険だと判断しました。
実際のところ、Gmailでさえ、クラウドで動作しているわけで、あんなものに個人情報のアーカイブさせておく気には全くなりません。
皆さんも、そこのところをよく考えて使用して下さい。
いまもはやインフラと化しているAndroidのスマホも、グーグルが作ったものです。巷ではグーグルによる遠隔操作が可能とも言われています。
IEも今では11になり、速くなりました。どちらを選ぶかは皆様にお任せします。